薬の効力はすごい。出来れば薬に頼らず治したかったけれど、仕方ないですよね、こういう場合。そのための薬なんですもの。
薬の服用後、痛みを忘れようと目を閉じたまま寝てしまったようで、起きたら1時間ほど経っていました。痛みはなくなったものの、痛み止めの副作用には眠気もあるようです。少しフラフラに感じる体を無理やり起こして今日もいつものように準備を始めます。
よく人から踊る以外の時は何やってんの?と聞かれます。寝る、食べる、散歩する、練習する、と答えるわけですが、この踊る仕事だって行って帰るだけではないんです。ステージに立つまでの間にはそれはそれは長い時間をかけて「身なり」を整えます。まあ女性はそういうの好きでしょ、と言われればそれまでなのですが、21時半から始まるショーのために、現在私は16時からそれとなく準備を始めます。
まずリハーサル。これは私が提案して自分のためにやっていることなのですが、やはり部屋の中だけで練習するったって、クルクル回るスペースはさほどないわけです。しかもベールを持って回ろうなんて考えにいたるとそこらじゅうのものに当たってしまい、仕舞いには自分に怪我を及ぼす恐れがあります。だから私はレストランの裏口から忍び込み(いえ、許可取ってるんで堂々としてます)、音響システムをいじくり、CDを流します。その時間帯にはもう従業員の人たちは準備にかかっていて、クルクル回りながら人と目線が合うと「ボンスワッ、サ・ヴァ?」なんて言ってる訳です。通常1時間ほどでリハーサルは切り上げますが、このリハーサル、熱を入れたら何時間だって出来ます。ただ、ここはプロ、スタミナはその日の様子を見ながら分散しなければいけないので、ぐだぐだと練習ばかりしているわけにもいかないのです。
上手く切り上げられれば17時過ぎには部屋に戻り、着替えを済ませて今度はご飯を食べに行きます。21時半から逆算して、4時間前にはご飯を食べ終わっているようにしたいとは思うのですが、現状やはり時間は押してしまいます(練習は案外すぐには終わりません、ある意味納得がいくまでやってしまうものなのです・・・ってさっき言ってたスタミナ分散は?)。以前聞いた話だと、ご飯を食べた4時間後が一番エネルギーとして有効に活用されるそうなんです。なんともオリンピック選手のような話ですが、それを聞いて以来、私はいつもショーがある際は4時間ほど前までにはおなか一杯ご飯を食べておくようにしています。これからの長い夜のために・・・。要するに私の夕食時はご想像のとおり変な時間帯なんです。ディナービュッフェの用意を始める支度に入ったレストラン(こちらは踊るレストランではなく食べるレストラン)は貸し切り状態。どおりで誰とも会わない訳だ。
そしてお風呂。バスタブ(ケバブじゃない)があってかなり助かってますが、髪を洗うなり体を洗うなり、これから動かす体、やっぱり温めることが出来るのは重要。肩までしっかり浸かります。これは精神的にも少しリラックスできて大変重宝しています。人類の文明だ・・・。
その後、大体7時ごろから、まずは髪の毛をいじくります。以前は髪の毛をとにかくまっすぐにまっすぐにと努力していたものですが、最近は髪の毛を出来るだけくりくりに。私の踊りは激しいと評判で、激しさを伴う踊りには必然的にそれなりの量の汗をかきます。汗をかくと髪の毛も濡れて、もともと頑固な私の髪の毛は徐々にストレートになってしまうのですが、初回ぐらいは、フワフワのクルクル(ちょっと表現が軽っぽい?・・・)ってイメージを保てるよう努力したりしております。それなら無駄な努力は・・・、と思われるかもしれませんが、この無駄な努力がそのうち報われれば(どのように?)、と日々無駄な努力・・・。
8時までには髪の毛を整え、お次はお化粧です。ご存知のとおり(知ってる人は知っている?)、中途半端なことが嫌いな私は化粧だって生半可なものでは済みません。大体ベリーダンサーたるもの化粧をしてなんぼの世界(これほんと?)、プレゼンする見かけはピカ一でなければなりませぬ。同じエージェントに所属するダンサー仲間の一人に言わせると、一番重要なのはルックスであるとの事。この辺り、微妙に本当かも、と思ったりもするわけです。
お目々しっかりのアラビアンメイクを施すのにはコツがあり、何を隠そうそのコツとは化粧をしながらオーバーすぎると思わないこと(笑)。アイライナーひきすぎた、なんて思ったらそれまでなのです。特に目には力を入れます。ここだけの話ですが、私はファンデーションが大嫌い。化粧をする暗黙の了解ならぬご法度とは存じておりますが、ファンデーションは使いません。時々妥協してお化粧ののりを良くするため目の周りだけファンデーションを落としたりもしますが・・・。
こちらのメイクアップアーティストに言わせると、アジア人の顔に一番合うと思われる目元化粧はスモーキーアイズ、要するに目元を真っ黒にして印象づける化粧法だとのこと。よく観察してみると、現地の人(レバノン人は特に)もみんなスモーキーアイズを施してる。郷に入れば郷に従え?でも個人的にスモーキーアイズ、好きです。たまにその上に衣装の色と同じカラフルアイシャドウを落としたりっていうのも、もちろん致します。眉尻は目のお化粧に比例した長さに調整し、頬紅をこれでもかというぐらい塗りたくる(これ、言いすぎ)。最後は口紅、グロス。そして指ほどの太さに丸めたティッシュを口の中に入れ、唇を閉じて引き抜く。なぜ?と思われるかも知れませんが、これは笑ったときに口紅が歯についてアホっぽく見えてしまうのを防いでくれるそう。これもダンサー仲間の知恵袋から。
全てが完了したら今度は着替え。衣装は、その日の気分プラス前後に使用した衣装との兼ね合いにより決定させ、同じ日のそれぞれのショーに使用する衣装が同じ配色にならないよう、それなりに気を使います。着替えが終わったら最終チェック。スカートはいたるところに安全ピンを使用し、ずれないよう、外れないようピン止めします。衣装に合うアクセサリーをごそごそと袋から探し出し、こちらも身に付け、香水(ビンボーっちいですが、私は某ブランドのボディスプレーを愛用)をさっと自分に浴びせます。
少し取り出してみました。衣装!
とまあこんな感じで念入りに用意をするのです。だから一日中さぞかしお暇でしょ、なんて言わないで!
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