2008年8月30日土曜日
契約満了
急遽決まったこの日付、シェラトン・アルジェでの私の契約最後の日。
(急遽と言ったのは、サインした契約は一応9月2日までだったから。なんていい加減!ただこれはラマダン開始日と関係があったため、変更の余地があるのは知ってました)
2008年2月1日から始まったこの契約、思えば長く険しいものでした。(本当か?)
マネージメントの人たち、レストランやクラブで一緒に働くスタッフの人たち、ミュージシャンの人たち、ホテルに長期滞在していてよく観に来てくれた(もしくはただシーシャ=水タバコを吸いに来てただけか知りませんが、あえて私を観に来てくれていたという自分に良い解釈をしてみる)人たち、時間があるときには必ずと言っていいほどほぼ毎晩のように応援に来てくださった商社の人(失礼な言い方かもしれませんがあえてこの呼び方をさせていただいてます)、事あるごろに応援に来て下さった日本人のファンクラブの方たち(小さいの、出来てたみたいです)、日本人が踊っていると聞いて遠くからいらして下さった日本人の方たち、長い間本当にありがとうございました。
アラブ人は、生まれたときからアラブ音楽を聴き、その文化に触れ、気付いたときからオリエンタルダンスを踊っている。お酒が2,3杯入れば皆上手に踊りだす(って、イスラム教徒でしょ?お酒駄目じゃん)。そうじゃない人たちにはこの踊りは無理がある。
これはとあるお客さんが私の契約終了日前日、私に言ったこと。
そんなことを言われたら身も蓋もないじゃん・・・。
もちろん、役に立つと思えるアドバイスなら、どんなアドバイスにも耳を傾ける。それが上達へ近道かもしれないと思うし、他人の意見には客観的要素が入っていると思いたい。それは、できるようになった。そしてそれをただ単に受け入れるだけではなく自分でも頭で、そして体で考えてみるということも。
このお客さん、フランス在住のチュニジア人だそう。(後で、色々お話して通じたところもありました。この人にはこの人の考え方や感じ方があるのです。もちろん今回彼の言ったことで学んだこともあります。)
もちろん、物心ついた時からその文化に慣れ親しみ暮らしてきた人たちにはかなわないかも知れない。日本人がオリエンタルダンスを踊るなんて変なことかも知れない。
でもそんな当たり前のことはさておいて、私を見て、そして踊りを見て私を受け入れてくれたここの人たちに、この一連のことで改めて、そして心から感謝するきっかけにもなりました。
アルジェリア人、愚痴も言ったがあなたたちの寛大さに救われたこと幾度と知れず。
こんなことをここに書いて感謝したところで、現地の、ここの人たちには分かることではないけれど、せめてここでお礼を言わせてもらうことで、私の気持ちも落ち着きます。
アルジェリア、ありがとう!
そして、またね!*
* 実は契約リクエストのお声がかかり、ラマダン後、またここに戻ることになりました。いやあ、アルジェリアとの縁って中々切れません(笑)。
2008年8月26日火曜日
ショーとワークショップのお知らせ
9/12(金) 8pm~ 新宿 ボスボラス・ハサン トルコレストラン
9/24(水) 8pm~ 新宿 ボスボラス・ハサン トルコレストラン
ある程度基礎が身に付いている方向け、レベルは問いません。
申込・問い合せ先はStudio el Salaam⇒ 03-3868-2083
期間限定!ASYA帰国期間のみの特別ワークショップ
今までに見たことがない!
インパクトフルでスタイリッシュなオープニングで観ている人の気持ちを一気に掴む。
本場中東で好まれる、オープニングに使用できる曲を使用。小振り付けを通して、目に新しい、体に新しい表現法や普段は思いつかないダイナミックな技、特別なヒントなどをレクチャーします。
ベリーダンスを踊る上でも、オープニングの第一印象は大事なところ。このクラスでは比較的覚えやすい振り付け、それでいて人の目を惹く効果的なオープニングの踊りを目指します。
*持ちもの: ベール、ヒップスカーフ、動きやすい服装
*目安:ベリーダンス暦1~2年以上の方対象
*持ちもの: ヒップスカーフ、動きやすい服装
2008年8月19日火曜日
お返事
さてこのおじさん、自分がアルジェリアを発つ前に、何度も何度も私に念を押しました。
私が私のエージェントと連絡を取って、どんなアレンジメントが可能か、私が双方のエージェントに属することが可能か、そして彼の元でレバノンで踊るか、その他もろもろ私の意向をいち早く電話で教えてくれ、と。
そして滞在期間中、私を見かける度に渡してくれる自分の電話番号(レバノンのね)。別に会うたびに毎回番号が変わってるわけじゃないのに・・・。彼を安心させるため、私もアルジェリアの携帯番号を教え、去っていったおじさん。
でもこのおじさん、前にも言ったとおり、見事アラビア語しかしゃべりません。
弱ったな、と思っていたある日、偶然にも最終日に通訳をしてくれたアルジェリアンサッカー選手を目撃。
私に気付いた彼のもとへ、近寄ってちょっと聞いてみる。
あのね、この前のおじさんなんだけど、彼に連絡を取りたくて・・・お誘いは嬉しいけど、とりあえず今のエージェントに留まることを言わなければと思って、と。
そうか。
何も知らない人だったのに、超短時間で誰よりも状況を見事把握してくれた彼。それだけで既に頼もしい。
ちょうどその日は水曜日。夜も遅めだったのは確かだけれど、彼が言うには週明けに電話をしてあげる、とのこと、土曜日の夕方7時、同じ場所で会うことを約束する。
これで解決しなければと思っていた問題がひとつ減る、と安心した私。
そして土曜日7時、同じ場所に、彼は、来ない・・・。
待つこと20分。信じた私がバカだった。安心した私がバカだった。
時間を無駄にすること30分、仕事の支度もあるがゆえ、その場を後にする。
しょうがないな、と思いつつ、仕事へ向かう途中、さっきの待ち合わせ場所に彼が不機嫌そうな顔をして私を呼び止める。
いつまで待たせるんだ。7時の約束だっただろう?
・・・って、どういうこと?そう言う彼に、おぬし、何を言うておる、私は7時ぴったりにここで30分も待ったのに、来なかったのはそっちでしょう、と一言言ってみる。すると彼、2時間後の針が差す時間を自分の腕時計で改めて悟る。あー、ごめんごめん、今が7時かと思ってたよ。
ふざけんな!!(時間はどうあれ、彼が約束を覚えていたこと自体に内心びっくり)
彼の言い分は、サッカーの練習をして帰ってきたら時間が分かんなくなっちゃって。ってどんな言い訳だ。時計を見ろ、時計を。
仕事に向かう途中、電話をしてもらう時間なんかあるはずなく、今度は次の日の別の時間に待ち合わせをすることに。この待ち合わせ時間、やっぱり7時じゃ早すぎる、と彼が決定した時間、8時半。
が、次の日も彼はその時間に来ることはなく、そしてその後彼を見かけることもなく、今日に至る。
結局連絡してない私もどうかとは思うけれど、おじさんも私の番号を持っているはず。本当に本当に欲しかったら、誰かに頼んで私に連絡することだってあり得るよね。
・・・これはある種の引っ掛け問題?
と、最近思ったりもする。
※9月にレバノン入りしたら現地の人に連絡してもらいます。
2008年8月18日月曜日
文句・オン・パレード
外で踊ることの文句・オン・パレード。
とにかく暑い。
夜でも暑い。
湿度が高く、踊りだして数分もしないうちに汗をかく。
すると髪の毛が体にまとわり付き、腕の周りを何周も・・・。
蛇じゃないんだから。
そんな状況下、
腕は自由に動かせぬ。
したがって、
体は自由に動かせぬ。
ターンだってろくに出来ぬ。
それでも笑顔を保ちつつ、もちろん踊りながら、端から体にまとわり付いている髪の束を体からとりあえず離していく。でもまたもとの木阿弥。そんなことを繰り返す日々、早2ヶ月半。
タイル張りの床。タイルとタイルの間はやっぱりでこぼこで、決して踊りやすい地面ではない。
ヒールを履きつつ踊っても、地面を見ながら踊るわけには行きませぬ。
動いて着地した地面の場所が、でこぼこ両方に乗ってしまった場合、踊りを保ちつつ足場の良いところを動いて探す。
人は見ない、足元を。だから、私の笑顔にだまされる。でもあるのです、上半身は動かぬとも、本当は足元が忙しく動いていることも。そんなことを繰り返す日々、早2ヶ月半。
一緒に踊るバンドの音楽が、毎晩毎晩同じこと。
WardaのHarmat Ahebak (I cannot love you)という曲。
http://www.youtube.com/watch?v=8zOgirQt_R4
良い曲なのだけど、これだけ毎晩これで踊らされると、同じ歌手が歌い方を多少変えたってもう駄目だ。
リハーサルをする時間は持つから、お願いだから音楽を変えてくれ。でないとこの音楽ではもう踊れない。と言った時から数えて1ヵ月半ほど。分かったから、来週ね。月曜日ね。と言われたのは遥か記憶の彼方。それでも曲を変えない彼ら(というより私の観察上、歌い手の人だな、曲を変えたがらないの)、同じ演奏を繰り返す日々、早2ヵ月半。
つい最近、勇気を持って(?)ある日私は言いました。
音楽を変えてくれないならもうCDを使うから、と。
その日そう言われて焦ったのか、音楽を急遽変更してくれたは良いものの、上手くいかないと思ったのか、翌日からギブアップ。それ依頼CDで踊っております。ライブバンドに合わせて踊るのはこの上なく嬉しいことですが(毎晩毎晩同じ曲で踊ることは前提にありませんのでご注意を)、いやいや同じ曲で踊るのより、正直こっちの方が気分が良い。
曲はたくさん知ってるんだから、努力しようよ、レパートリー増やそうよ。
そう思うこと早2ヶ月半。
でもそろそろこのタフな状況から脱出です。
だって8月29日で契約がひと段落するのですから。
(最後は同じ曲でもいいからバンドとまた踊ることにしよう、と内心思う)
あとちょっと。がんばれ自分。
2008年8月16日土曜日
レバニーズ・オン・パレード
私は現在アルジェリアにいるわけですが、この同じホテルで、偶然にも何故か1週間ほどほぼ毎日連続してレバノン人に会う機会に遭遇。しかも皆お互い何のつながりもない人たち。
いつものように、プールサイドのレストランで踊っていると、アルジェリアンチックとは違うセンスの良い格好をした男性陣7,8人、テーブルを囲んでいる。
よく見ると彼ら、体格もいいしノリもいい(顔もいいけど)。アラビック手拍子だって心得てる。
どっから来たの?と聞きつつも、もしかしてレバノン人?とも聞いてみる。
思いの通りの回答に、やっぱり!と思う自分。
このホテルは、各国からそれぞれビジネス関係で来る人が多いのだけど、その次の日も、また次の日も見かけたイケメンリーダー率いる(勝手に総称)レバノン人グループの彼ら。
レバノン人と分かると話さずにはいられない私。特にこれといった会話ではないのだけど(笑)、踊りながら多少なりとも会話する。そして分かったのがビジネスプロジェクトの関係でここに1週間から10日程滞在するらしいということ。
そんな彼らとは別に、次の日に見かけたレバノン人グループ。でもこの彼ら、こういうところで見かける私の言う年頃(?)一般的レバノン人と、身なり格好が違う気が。よくよく聞いてみると、彼らはDabkehのパフォーマンスグループの人たちと言う。次の日から数日間、2、3隣町でのショーがあるそう。驚いた。レバノン伝統の踊りをこのアルジェリアで観る機会があるのだとは(残念ながら私は仕事で観れないけど・・・)。
Dabkehとは、歴史的にはLevant(フランス語で「日の出る方角」、レバント地方とはエーゲ海および地中海東岸の地方、特にシリア、レバノン、イスラエルの地域)の伝統的フォークダンスであり、現在のレバノン、パレスチナ、シリア、ヨルダンのナショナルダンスである(それぞれリズム等少しずつ違うよう、イラクにも有り)。形式は、ラインダンスで、トルコ、アゼルバイジャン、ジョージア、ギリシャ、アルマニア、東欧などでも踊られるコミュニティーダンスと似ていて、用途も、結婚式や他お祝い事の行事でよく踊られる。団結を意味し、ナショナリズムを表現する芸術や文化を積極的に表現するものでもある。そう、そういえばトルコの結婚式でも皆こぞってDabkehのステップと似通ったラインダンスをしてたことを思い出す。
右端の人物をリーダーとし、男性、女性、もしくは共に一列に手をつないで踊られる。そしてそのリーダーはRaas(頭の意味)もしくはLawwih(振る人)と呼ばれ、手を宙にかざし、誇りを持って直立した木の幹を象徴。リズムに合わせ、大地に足をつくその行為は、大地と彼らの関係を強調、Dabkeとは、アラビア語でもともと足を踏み鳴らすという意味であり、ジャンプやキックという動きはDabkeのユニークさを特色づける。同時に、リーダーは片手にハンカチもしくは数珠を持ち絶えず回し続ける。
ちなみに、あまり良いDabkeのビデオは見つけられてませんが、以下、参考までに。
画質があまり良くない(わざとぼかしてる?)のと、実際の音楽が録音されてないのが残念ですが、皆上手です。http://www.youtube.com/watch?v=XGvoiBCeb-A
これはベイルートの海沿いCornicheで。http://www.youtube.com/watch?v=xOskchTjzQQ&feature=related
さて、一通りDabkeの説明が終わったところで、
なるほどアーティストか。どうりで長髪やら髭もじゃやらアーティーな格好をしてると思ったんだ(皆こぞってヒッピーっぽい綿のゆったりパンツにちょっと変わった面白いロゴのTシャツを着ている)。そうと分かっていればDabkehの音楽をかけたのに。ちなみにレバノンで踊った去年は、レバノン人は大好きだから、と、ショーにはなるべくDabkehの音楽を入れるようにしてたもの。プロの迫力のDabkehを観てみたかった・・・。そして一緒に踊りたかった・・・。
翌日、レストランでの踊りを終えて家路(?)を急ぐ(??)私に、プールサイドで話しかける人約2名。
1人はものすごく愛想良く、そしてもう1人はものすごく愛想悪く(まあそこまで悪かないが良くもない)。
そしてこれは後で私が勝手に解釈したのだけれど、愛想の良かったおじさんが、私に話しかけたかったものの、彼はアラビア語しか出来ず、もう1人は否応なしに通訳として無理やり連れてこられたということ。
愛想の悪いおじさんが、一応愛想の良いおじさんの言いたいことを伝えたのだと思えるのだけれど、何のことかも良く分からず結局その場を後にすることに。幸い、愛想の良いおじさんは私に翌日の14時にロビーで会う約束にこじつけたことで嬉しそう。私はというと、とりあえず部屋に戻れるので嬉しそう。
翌日14時、待ち合わせ通りの時間にロビーにいた愛想の良いおじさん、どこからともなく今度は別の「通訳」を探してやってきた。そう、この愛想の良いおじさん、もちろんレバノン人なのだけど、どうやら私に未来があると思ってくれたよう。レバノンで踊らないか?と。とりあえず私はレバノンのエージェンシーに所属していることを伝える。そしてそれがレバノン、湾岸諸国で業界最大手のものだと。エージェントの名前を言うと、彼も、その通訳の人もエージェントを知っている。もちろん、私のエージェントとの摩擦なんか起こしたくないから、エージェントに話をしてもらって最善の方法を取ろう、と言ってくれたのだが・・・。
さて、こっからがとってもレバニーズ。愛想の良いおじさんは、とりあえず私の写真が欲しいと言う。そこで出てきたのがこの通訳レバノン人。彼らもあと数日しか滞在しないが故、とりあえず連絡先をということで、私は何も考えずに彼に部屋番号を渡す。だって愛想の良いおじさんと連絡を取ろうとしたって意思疎通どころではないのだから。
部屋に戻るなり鳴る電話。
しまった。レバノン人だってこと、忘れてた。受話器を取ってみるとやはりさっきの通訳人、トニーである。
僕の部屋にコーヒーでも飲みに来ないかい?って遠慮しとくよ。
じゃあ君の部屋でコーヒーでも飲めないかい?ってナイストライ。だめだめ。
これだからレバノン人は(私自身は案外面白がってるけど)。基本的にレバノン人男性、獲物を見つけるとすぐ狩りに出る・・・。
この典型的レバノン人男性は放っておいて、愛想の良かったおじさん、後日また別の通訳を連れて、仕事帰りの私を捕まえる。すごい信念だ。よっぽど私のことを気に入ったに違いない、と思ってしまう。ちなみに今回の通訳はとても優秀で(外国生まれのアルジェリア人サッカー選手、中田を知ってた!)、今までの謎が全て一気に解けた。
まず、この愛想の良いおじさん、Caracalla(http://www.caracalladance.com/home.html)というレバノンの有名なダンスシアターグループ(日本にも公演で来たことがあるらしい。出来ることならこのグループ、私も所属してみたかったとてもエキサイティングなダンスシアターグループに思えます)の一員で、30年間籍を置いた後、近々現役を引退、これを機に、エージェント業を開始しようとしているらしいこと。そしてその第一号アーティストが私だということ(彼の頭の中でね)。
最初に通訳として無理やり連れられてたっぽい無愛想おじさんは、Caracallaのオーナーの1人。2人目の通訳トニーは、このダンスグループとは関係ないらしいけれど、同行していた人の1人。
要するに愛想良いおじさん、私の写真の要求と、是非返答が欲しいとの事を翌日アルジェリアを去る前に再度プッシュしておきたかったよう。レバノンの連絡先を残して。(こちらは後日「お返事」と題したエントリーでこの後何が起きたかを説明するつもり)
こちらはレバノン人女性歌手Carole Samahaとの共演で空を飛んだビデオクリップで、話題を呼んだ(私の中でね)レバノン人男性歌手Marwan Khoury。これ↓
http://www.youtube.com/watch?v=OQX1VqajRRc
実はそのビッグな彼も同時期このシェラトンホテルに!実は事前にいる、ってことは独自の情報網から仕入れてはいたものの、まさか帽子をかぶってレストランの一角である暗いKhaima(アラビア語でテントという意味)に居たとは・・・。うかつだった・・・。サインもらえたのに、写真取れたのに・・・と、悔やんでみる。
最近、上でも話したDabkeh用の音楽、El Tanoura(アラビア語でスカートという意味)という曲で一躍有名になったFares Karam。
Dabkeh音楽の王様はAsi Helaniなのですがhttp://www.youtube.com/watch?v=6iflLeDa2_k、Fares Karemももちろん有名。
また別の日に踊っている最中、大勢の人が囲むテーブルにいたのは頑丈そうな人見知りのお姉さん。その彼女、何故か私に目配せをする。が、意味が分からずそのまま踊り終える私。踊り終えた私に聞くそのお姉さん、今からかけるCDで踊ってもらえない?と。確かにテーブルの上に何か同じようなCDがいくつも置いてあった。同じ写真も何枚もあった。そしてテーブルに付いている1人が、その写真の人ではあった。その人が歌手だよ、とも言われた。でもね、それがFares Karamだとは思いも寄らず、かかり始めた音楽も、Dabkehだなと思い、El Tannouraだな、とも思い、同じテーブルでノリの良いおじさんと2人でDabkeを踊り、同じ曲をカバーしてる歌手の人なのかな、と思い、去っていった私。
何がきっかけでそれがFares Karam本人だと分かったのかは覚えてませんが、カメラを持ち歩いているわけではない私、その辺にいた優しそうなお兄さんを捕まえて、カメラ借りて写真を撮ってメールで送ってもらってもいいという約束にこじつけ、急いでFares Karamの居るテーブルに戻ったその証がここに。
レバニーズ・オン・パレード。
2008年8月12日火曜日
2度目の結婚式
さて、ブログは夏休みを取っていたわけですが(?)、仕事は毎晩、イベントフル(ほんとか?)な夏を送っています。
ということで、先日アルジェリアにて2度目の結婚式に出席してくることに。
今回はもう少し客観的にアルジェリアン結婚式を観察してみる。まず、結婚式は、要するに花嫁が色んな衣装を着て出てくる晴れ舞台の日。まあこれは万国共通なのでしょうか。
開始時間は2時、のはず・・・。
徐々に集まる人。この日の結婚式も、女性だけの結婚式。暑い外からアバヤをまとってやってきた女性たちも、会場に入るなりそのアバヤを脱ぎ捨てる。
そして恒例のアルジェリアン挨拶。結婚式ともなると、親しい間柄の人をよく見かけるのか、頬にするキスは交互に数えて4回。
そして待たされること約1時間。
言わずと知れて、会場はやっぱり全て女性で埋め尽くされる。ただオーディオ機器の設定をするらしき3人は男性なのである(いいのか?)。そしてぞろぞろとやってきた女性バンドのメンバーたち。ビデオ撮影陣も、フォトグラファーも皆女性。
そして始まる演奏。アルジェリアの音楽は、最初から最後まで文字通りズンチャカやっているので、私は個人的にあまり好きではないのだけれど、どこからとも誰からともなくこの音楽に合わせて皆そろそろと踊りだす。そう、この終わりのない音楽に終わりなく踊っていられる彼女たちにはある意味才能が。
もちろんオリエンタルダンスも皆それなりに踊れるのだけど、こういう場で一般的に踊られるのは、音楽のビートにあわせてステップを踏みながら腰を激しく震わすKabyle Dance(カビリダンス)で、以下のような感じ。クリップの始めの方に、写真が2,3枚出てきますが、アルジェリア人の女の子はこんな感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=SZxfxJeuQQQ
カビリとはアルジェリアの少数民族集団で、ナイル川より西寄り、北アフリカにいる固有人種ベルベル人のうちの1民族で、アルジェリアの北東部に住んでいる。ちなみにフランス国籍の元フランス代表サッカー選手ジネディーヌ・ジダンも、アルジェリア移民2世でカビリであるそう。
さて、で、今回感じたのは、結婚式も色々あってやっぱりお金がかかっているのだろうなと言うこと。
結局は色んなドレスを着て皆の前を歩き回る。そしてそれをビデオにおさめる。
まあ記念なんでしょう。
前回の結婚式と違って、今回は最後に新郎が訪れ、きちんと新婦をリードしてあげていたこと。もちろんこれもビデオにおさめられる。
でもね、彼らが登場、会場を一回りして着席したらなんとまあ、おいおい、もう帰るんかい、って結婚式に来た人たち。さっさともらった結婚式特有のお菓子を両手に去っていく人たち。二人が退場するまで待ってあげるっていう意識はないの?ほんとに勝手なんだから。結局新婚の二人はフォトグラファーと写真撮影に没頭してました。ちなみにここの花嫁は必ず泣く。
それからここの国の結婚式、曜日はこれっぽちも関係ないよう。
これで終わりかと思ったら、今回の結婚式の新郎は、前回も今回も私を結婚式に連れて行ってくれたマディナ家族の親類とのこと(もちろん前もって知ってました)。家族は、彼らの運転する車を挟んで前後でその車をホテルまで「誘導」する。
そう、アルジェリアでは結婚式の夜は、式会場がどこであれ、ホテルに泊まるらしく、会場からホテルまでの道のりは、友達、家族の車でぞろぞろとハザードランプをつけ、クラクションを鳴らしながら、のろのろと運転して進んでいく。やってる人たちにとっては楽しいかもしれないけど、道で急いでいる人にとってはたまった催し物じゃない・・・そしてまた40分後に仕事を控えている私にとっても・・・
それはそうと、この国一番に高級なここシェラトンホテルは、新婚のカップルがよく結婚式に泊まりに来る。なので、普通に歩いてて前方に花嫁が、エレベーターを降りたら(たまには使う)前方に花嫁が、踊ってたら前方に花嫁が(その場合maburuk=アラビア語でおめでとうの意味、と声をかけますが)、なんてことが多々あります。
でもホテルに着くなり新婚カップル、そのままお部屋に行けるわけではなく、自分でチェックイン。先日はレセプションでチェックインするスーツ姿の新郎、長い裾のウエディングドレス新婦を発見、レセプションでなんかちょっと揉めてたみたい。あーあ、せっかく良い日にしたいのに。いいのかアルジェリア・・・。