2008年10月31日金曜日

上を向いて歩こう

涙がこぼれないように~♪

実はこの曲、諸外国では「SUKIYAKI」(すきやき)という曲名なのはご存知ですか?

さて、では何故「すきやき」なのか。

当時坂本九の「上を向いて歩こう」という曲が日本で大流行した時期の話。とあるジャパニーズレストランにて食事をしていたアメリカ人音楽プロデューサーと日本人。「上を向いて歩こう」が流れるレストランで「これは何だ?」と問うアメリカ人音楽プロデューサー。2人が食べている食べ物、すきやきのことを聞かれていると勘違いした日本人が「すきやき、と言う」と答えたのが、この曲が「SUKIYAKI」という英語名になったのが始まりだとか。

ここまで書いてどこでこんな情報を得たのだろう、と考えてみる。
すると中学生の時の英語の教科書で読んだようなあやふやな記憶がよみがえる。

果たして本当だろうか・・・。

ちなみに中学生時代は宮崎にて過ごした私。
どなたか当時の宮崎の教科書に詳しい同世代の方、私の記憶をジャッジして頂きたい。

・・・と、別に今回は涙もの巻ではないものの、とりあえず出だしは脱線状態で始めてみる試み。

さて、私、ここシェラトンホテルでは、いつも人だかりを通り抜けるときには、なるべく誰とも目を合わさないようにする。そう、どちらかというと下を向いて歩いている。

というのもA地点からB地点に移動するのに、スタッフ、お客さん、来る人来る人にいちいち挨拶してたらことが次に進まないから。

が、いつぞやちょっと上を向いた途端、目が合ってしまったある人。

ここぞとばかりに私に話しかける彼、最初はちょっと面倒くさかったけれど、でもまあ感じの良い人ではあるようだから、ちょっと反応してみるか、と偉そうな私*。

結果分かったことは、彼、弁護士。

ふふーん。

同じ日、また目が合ってしまった別の人。面倒くさいなと思いつつもさっきの続きで話に耳を傾ける。

すると分かったこと、彼、パイロット。

ふふふーん。

おじさんだけれど、顔立ちがきりっと整ったその人は、バングラディッシュ生まれのバングラディッシュ人でイギリス育ちの国籍カナダ人だとか。話を続けてみると、その何日か前にレストランに来てくれたそう。やっぱり私の経歴が気になるようで、そこからまた話が続く。どうやら、彼のパイロットの同僚が私の踊りをたいそう気に入ってくれたらしい。

その夜またレストランにやってきてくれた、彼とその同僚のアメリカ人パイロットとカナダ人CA。

2つ目のセットが終わって彼らにお礼を言う私。そこでちらっとお話をすると、なるほど、アメリカ人パイロットは私をもっと気に入り踊っている最中に撮った写真をメールで送ってくれると言う。それはありがとう、ととりあえず彼らのビジネスカードをもらって帰る。

そして今日一日を振り返る。・・・弁護士、パイロット。

上を向いて歩くと、弁護士とパイロットに会うのか・・・なんていう結論に達したりする。

そして何週間も経ったある日、このアメリカ人パイロット、誰が私の部屋番号を教えたのか、後日部屋に電話してきて私に言う。(誤解があったらかわいそうなので、誤解のないように書きますが、この人はきちんとしている人でした)

今フランクフルトにいて、これからドバイに飛ぶ。そこから要人をバンクーバーに乗せて飛ぶんだ。

ふーん。で?

実は、今フランクフルトのヘッドクオーターで上がっている話なんだけれど、プライベートジェットのCAが必要なんだ。適役だと思うんだけど(何故そんなことが言える?)、君、プライベートジェットのCAにならないか?と。

まあまあ。

どうやら本気で言ってるらしい・・・。

世の中色んな人と知り合いになると、色んなオファーがあるものなのか・・・。

ん?そろそろ鞍替え?

いやいや。ベリーダンサー、続く限りは続けると決めているのだから。

もちろんお断りしましたよ。

でも、いつか新しい職を見つけたくなったら「上を向いて歩こう」べき?!

* 誤解のないよう言っておきますが、私、基本とても謙虚です(笑)。なるべくトラブルに巻き込まれないように礼儀正しく人を避けることももちろんあるけれど。

2008年10月21日火曜日

兄弟

つらかったり悲しかったりした時は、隠そうと思っていても顔に出てしまう私。

それは不当な扱いをされたときだったり、何か言われたときだったり、
あまり気にならないことであればどうでもないこと。
でも仕事に関する何かであれば、それを重要視している私にとっては、
一大事だったりもする。

つい先日も。

踊る直前にはどうにか笑顔に出来るものの、音楽がなり出して、登場する本当の寸前まではいけないとは思いつつも口がへの字になっていたりもしてしまう。

最近は、ショーが始まる前にCDをミュージシャンに預けにいくことが暗黙の了解になっているのだけど、アバヤを羽織ってその仕事をしている最中、私の元気のなさに気付いた演奏中のミュージシャンたち(ステージ側で、私はお客さんには背を向ける状態なのでお客さんに私の表情は分からないのです)。演奏を中断して(・・・っておいおい)、辛うじてマイクは使わないけど私に問いかける。

「マリコ、どうしたの?」

でも彼ら、それ以上は聞くことなく私のことを気遣ってくれている様子。

ボーイフレンドか?

いやいや。

手を振ってそうジェスチャーした私にミュージシャン3人の視線。

タブラ奏者がフランス語で何かを言い、キーボード奏者がそれを英語に直してくれる。

君は僕たちのシスターだよ。(妹だよ、と)

そして歌手は取り上げた私の手の甲にキスをして、右手を左胸で(彼自身のね)2回軽く打つ。これは、こっちの人のリスペクトのサイン(のはず)。

ああ、もう、今から踊らなきゃいけないのに泣かせるようなこと言わないでくれ。扉の向こうに戻った私、水を吸わないアバヤの袖で軽く目尻を拭く。化粧が落ちると大変なんだから。

そして私は考える。
兄弟ってこうやって増えていくのね・・・と。

ちょっと違うよな、とは思いつつも。 上、増えた兄弟の一人Habib。

ありがとう、兄弟。

2008年10月14日火曜日

エジプト人おじさん

彼は小柄で、穏やかな顔をしている。
ちょっとお腹は出ているけれど、いつも笑みを絶やさないやさしそうなおじさん。
白髪交じりの短髪で、見かけるといつも微笑み返す。
おじさんというより、おじさまと呼ばれそうな、上品で、
そこにいるだけで、場が和むような、そんな人。

いつどうやってそのおじさんがエジプト人だということが分かったのかは、もう記憶の世界。

そのおじさん、2月に踊り始めて気付いたときからほぼ毎晩、いつもレストランのどこかに腰掛けて、微笑みながらシーシャ(水タバコ)を片手にミンティーをすすってる。

東洋人の踊るオリエンタルダンス(ベリーダンス)を、毎晩観にきてくれる彼は、言わずと知れて私の大事なお客さま。

ベリーダンスが世の中で注目されつつある踊りだとしても、日本でいくらベリーダンスが流行っている事実があろうとも、アラビア語を理解しようと歌の意味だって分かって踊っているつもりではあるけれど、アラビア人ではない私を見るなり、承知の上で無理があるという人だってたまにいる。

世界中どんなに人を惹きつける踊りをしているベリーダンサーでも、必ずどこかで誰かはアラビア人にしか踊れない踊りなのだから、と水を差される。

大事なのは、その文化を理解して、それを自分が出来る方法で伝えて行くことなのではないかと考える。

将来、日本で金髪青眼の外国人芸者が誕生したとしたら(実際そんなことがあり得るのかは分からないけど。あと、別に金髪青眼じゃなくてもOKですが例えは分かり易く・笑)、私は日本人のおじさん達にその彼女を温かい目で見守ってあげて欲しいと思う、そう思わせたエジプト人おじさん。

スポーツとアートでは異なる世界ではあるけれど、国技のお相撲には外国人が多いのだから、日本って寛大だな、とも思う。

2008年10月7日火曜日

アルジェリアン挨拶

以下、以前出会ったアルジェリア人の子との英語での会話。

(彼女) Bonjour! How are you?(こんにちは、元気?)

(私) Good thanks, you?(元気だよ、あなたは?)

(彼女) Fine thank you, how about you?(元気よ、あなたはどう?)

・・・ってこれ繰り返してたらあんた日が暮れるよ。

でも質問されてるのにそれを無視するのはいけないと思った私の次の返事は
I'm good thanks...(私も元気、ありがとう・・・)

そして笑顔と一緒に返したけれど。

要するに、英語で挨拶しようとすると、あまり英語教育が施されていないであろうここの国民たちは、形式ばった会話しか出来ないのだろうと悟る私。

が、ところがどっこい、ある日別の人とのフランス語での挨拶で気付いてしまったこと。

(別の友達) Bonjour, Ça va Mariko?(やあマリコ、元気?)

(私) Ça va bien, et toi?(元気だよ、そっちは?)

(その友達) Ça va, et vous?(元気よ、あなたは?)

ん?(声には出さない私)

(私) Ça va bien bien, merci...(うん、ええ、元気よ元気。ありがとう・・・)

なるほど、これはもしかしたら私が言葉を理解できないと思って何度も元気かどうか確認するのかしら、と思ってみる。

でもこの時から私、他人同士の会話にも注意して耳を傾けてみることにしてみた。

すると驚くべきことが判明。

誰と誰の会話でも、会ってしばらくはずっとお互い元気だったかどうかを確認している。そう、上記のような感じで。そして次の話題に移るのだけど、しばらくすると何がきっかけか分からないけれどまた互いに元気かどうかを確認・・・。私の中では意味不明・・・。

君たちの会話は元気かどうかの確認で成り立っているのか!と1人突っ込みたくもなる(でもフランス語では突っ込めない)。

さて、ではこれはフランス語での会話だとそうなのかと思い、今度はアラビア語で会話する人たちの話に耳を傾ける(元気かどうか聞いているぐらいは分かります)。が、やっぱり一緒。

なるほど、これってアルジェリアン挨拶なのね、と思い、それで終わりにすればよいものを、何かがきっかけで調べものをしていたある日、日本人がブログで書いていたモロッコでの挨拶の話を読んだ。すると・・・一緒。同じだ・・・。どうやら会話の中で何度も元気かどうかを聞いてくるらしい。そしてその日本人もそれがうつってしまったと・・・。長くいたら私もそうなってしまうのか?もし日本に戻った時に、東京の無駄のない効率的な生活にきちんと慣れることが出来るのか?ちょっといらぬ不安を抱いてみる。

アルジェリアン挨拶ですまなければ、モロッカン・アルジェリアン。はたまた隣国チュニジアはどうなのか?となるとこれは北アフリカン挨拶?他のアフリカ諸国はどうなのか。気付かなきゃ良かった・・・ますます謎は深まるばかり。

2008年10月5日日曜日

お仕事1日目

ラマダン明け。
初日にしてはまあまあの人入り。
アルジェリアシェラトンホテル内のレストラン・タッシリ。

踊りも良し、幸先良い出だしかな、と思うところ。

でました初っ端初日から出た不届き者。

いつものようにエントランスピースの踊りの後、テーブルを踊り歩くと、ひとつのテーブルに座っているおかしな風貌の男性2人が目に着く。

声はよく聞こえないけれど、なんだかジェスチャーでここを見ろと指差している。

1人が持っている手元にある紙きれ。

そこにはなんだか番号が書いてある。
よく電話番号を見せたりくれたりする人はいるのだけど(もらっても捨てますけど)、今回は数字4つ。



ここに来い?

ああ、よく考えたら部屋番号なのね。

アホか・・・。

お金は払う、いくら欲しい?


あのさ、お金の問題じゃないのよ。
そうやってベリーダンサーを買えるものだと思わないで下さい!

こういうの、不快に思ったらいけないんです。
常に笑いに発展させないと。

ということで更新契約第一号、また笑っちゃったよ。

2008年10月3日金曜日

Home Sweet Home

10月3日金曜日。
戻ってきましたアルジェリア。
ご無沙汰してます、ブログさん。

ということで、いったん満了したアルジェリア・シェラトンホテルとの契約なのですが、実はラマダン明けも、引き続きここでお仕事する契約を、再度交わしていましたことをここに正式にお知らせいたします。

今度は来年3月末までの6ヶ月間。2008年2月に始まった契約は、2009年3月末まで続くのです。

過去アルジェリア・シェラトンホテルで雇われたオリエンタルダンサーをみてみると、1年を超える通算1年2ヶ月の契約は、異例中の異例。ジャパニーズオリエンタルダンサーが異例の存在なら、その勢いで成し遂げることも異例といくつもり。

今回のラマダン中3週間の帰国はとてもとても濃いもので、仕事仕事にまた仕事。一体何しに帰ったんだか。と思いつつも、仕事が生きがい(?)の私としてはここは文句のつけようがないところでもあるのです。だからとりあえず感謝。

この場をお借りして、今回ワークショップでスタジオをお借りしました、いつも元気をもらっているタブラクワイエサの奏社長と上田さん、始めてご一緒させていただいたクワイエサメンバーの空中紳士さん、アブダッラーさん、あと二名・・・(すみません、お名前が・・・確認できたら載せ直します!)、ボスボラスハサンのハサンさん、久美さん、銀座ナタラジの松川さん、タンドーリのマリオさん、いつもカメラマンとしてお世話になっているタローさん、既存のかわいい生徒さんたち、新しくワークショップを受けに来て下さった生徒さんたち、お問い合わせいただいてはいたものの、いっぱいでワークショップには参加出来ずじまいだった方々(すみません。次回インシャッラー)、ショーを観に駆けつけて下さったアルジェリアでお会いした商社の方々、ちょっとでも興味を持ってショーを観に来てくださったベリーダンスをしているであろう方々、以前働いていた会社で一緒だったショーを観に来てくださった皆さん、ブログを読んで観にきてくださった方々、いつもメールで応援してくださっている方々、文句も言わずに好きなことに突き進ませてくれている家族、(もう忘れてる人いないよね?)

本当にどうもありがとうございました。

皆さまの存在はかけがいのないものなのですから(って偉そうにあんた誰?)。でも本当です。

さて、シェラトンホテルの謳い文句はhome away from home。

家から離れた「家」って意味らしいのだけど。でも今ここがとりあえず家なのよね、と思う私。いやいや、もちろんほんとのお家は日本にありますけどね。

そう、Home Sweet Home。

戻って発した第一声。

これからまたアルジェリアでの文句を踏まえつつ(笑)、ありえないこと満載の内容でこのブログをお送りいたします。どなた様も度肝を抜かれぬよう、心の準備の程、よろしくお願いいたします。

ASYA