2008年1月31日木曜日

背中を押されるように

大使館からの帰り、タクシーから降りた私はまずスーパーに向かう。アルジェリアでは簡単に歯ブラシと歯磨き粉が手に入らないかもしれない(って自分はアルジェリアをどんなところだと思っているのだろう・・・)。
買い物が終わったスーパーから、歩いて駐車場を通り過ぎる際、ヴァレット・パーキング(車を目的地のドア前で止めて、そこから係りの人が駐車してくれるサービス。もちろんチップが必要)の男性4、5人が「なんで車で来なかったの?」って。答えはもちろん「お金ないから」。こういうやり取りをとっさにできるレバノンの人たちってすごくユーモアセンスがあると思います。ここは軽くあしらい次の目的地へ。
向かうのは、スーパーの向かい側のビルにある、いつも行ってるビューティーサロン。といっても行ってるだけで必ず何かをするわけではない。レバノンに一人でいた時には滅入ることも度々あって、このビューティーサロンでネイルをやってくれるハスミって女の子に癒されたりもしました。ここのビューティーサロンで働く皆とは仲良しこよし。今回は短期間の滞在だけど、皆の顔を見たくてやってきました(実は到着した日もほんとに挨拶だけですが1度行ってます)。ハスミ以外は皆男の子で、若い子が多いのに、きちんと仕事をしてくれます。

ハスミは右側。

もちろん「お金ないから」の私は遊びに行っただけ。何もするつもりはなかったのですが、髪、洗わないの?切らないの?巻かないの?ここまで言われちゃあちょっとセットでもしてもらおうか。今日はもう飛行機に乗るだけなんだけどなあと思いつつも洗髪、切髪(造語?)、巻髪(こちらも造語?)一通りしてもらいました。お代は?いらないよ、だって。日本のおいしいお菓子を持っていったから、まあ、いいか。

当分会えないけど元気でね。皆に挨拶をして、ビューティーサロンを後に。2階から手を振ってくれる皆にドラマチックに投げキッス(いえいえ、面白おかしく投げキッス)。「頑張ってきて」って背中を押されたように感じながら、私は振り返りつつ道を歩いて行くのでした。

その通り沿いの薬局。前回レバノンにいたときに何度かお世話になりました。覚えてるかどうか分からないけど(私を、じゃなく、私が!)ちょっと立ち寄ってみようとドアを開けるとおじいさん、入ってきた私をに気付きました。帰ってきたよ!でも今日また発つからちょっと挨拶がてら寄ってみた。彼もまたフランス語とアラブ語の教育を受けたようで、私の英語、どこまで分かってるのか分からないけどとりあえず言いたいことだけは言っておく。

レバノン流の挨拶は、交互に頬にキスを3回。もちろん男性同士も女性同士も同じように挨拶します。握手をしつつ3回の儀式。と、普通は思う。じいさん、何を思ったか頬じゃなく口がいいとぬかすではありませんか。なんでそうなんのさ、じいさんよぉ。呆れた私はそそくさに薬局を後にしました。あまり驚きもしませんでしたが、うーん、レバノン人男性ってのはいくつになってもあんななんだろうなあ。困ったもんだ。

薬局から斜め向かいの果物屋さん、ここのおじさんとも顔見知りになりました。バナナを指差し「アラバ(アラビア語で4の意味。何故かこれだけは覚えている私)」という私。4キロかと問うおじさんに「ラッァ(ノーね)」。4本。いつものことですが、あまりにも買い物する量が少ないもんだからよく無料にしてくれます。「お金ない」私、バナナ4本ぐらい買うお金はあるよ。ごめんねおじさん、じゃあお言葉に甘えます。気持ちをありがとう。

寄り道の末、バナナ4本を片手にアルジェリアへ出発のため、エージェントのオフィスに戻る私でした。

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