2008年3月19日水曜日

愛しのレバノン

レバノンが・・・恋しい。

ごめん。
そう、とりあえず日本よりレバノンの方が恋しい。

アルジェリアに来てから、そろそろ2ヶ月。

今回は経由地として、数日間しか滞在出来なかったレバノンが、あの国の人々が、あのハチャメチャさが・・・恋しい。

去年のおおよそを過ごしたあの国での体験は、想像を絶するそれはそれは笑いと呆れ、非常識に飛んだもの。もちろん、これらを面白いと思えるのは、一緒にそのときを過ごした仲間がいたからである故。ずっと一人でこれらのことを体験していたら滅入っていたかも。
大好きだけど、あそこの国民は、・・・おかしい。

やっぱり情熱家ゆえか、悲しくて悲しくて、早朝5時、家の玄関前(正確にはエージェントオフィスの入り口)で転げまわりながら大声で泣いたこと←これホント。大体悲しくても良識を持った人は涙は堪えられるところまで堪えるでしょ。もう玄関前なんだから中に入ってから泣けばいいものを。当時は我慢し切れなかった、多分半端ない量のお酒が入ってた自分。そして思う存分泣きはらした後家の中に入ると何故か爽快な気分になった自分。そして後々近所から騒音の苦情がなくて良かったと思った自分。

後日友人にこのことを話したらレバノン人みたい、って。レバノン人も・・・やるな。

ある夏の暑い日、プールに出かけた私ともう一人の日本人のお友達。彼女もまたレバノンに長期滞在していたことがある人なのですが、帰り際、ハタと止まった車には3人の男の子たち。歩いている私たちを見て、どこまで行くの?乗せてってあげるよ、との事。目的地を告げると(普通はこういうのは無視するべきかもしれないが)自分たちも同じ目的地だ!って。嘘をおっしゃい。

何を思ったかそのお友達、じゃあ乗っちゃおうか、とヒッチハイクを促す。まあ確かにここでタクシーを捕まえるのは大変そう。よくよく見ると彼らたち、さっきのプールでじろじろこちらを見ていた子達ではないですか。偶然を装い乗せてってあげるよって、いかにもレバノン人らしい。

結局一人の子が私の友人に気があったらしく、仲間がそれを応援しようって魂胆だったのですが、じゃあ残った二人がしょうがない、私に君のことが気に入ったよ・・・ってなんでそうなるかな。だから都合よくそこで完結付けようとしないでおくれ。彼と彼女は連絡先を交換してたみたいだけど、その後どうなったかは知りません。

後で聞いた話によると、彼女、「マリコさん(私)が一緒だから知らない人の車でも乗っても大丈夫だろうと思ってー」・・・って私は一体・・・何者?確かにその時点までで私が体験してきたことは想像を絶する面白おかしいことばかりではあったし、見知らぬ人の車で(言っとくが一人ではないです、いや、一、二度あったな)家まで送ってもらったことは何度かありました・・・。でも私がいるから大丈夫って・・・。確かに確かに日本で言うような悪い人はレバノンにはいない気もしますが・・・良い子の皆さんは決して真似しないで下さい。

ミュージッククリップから流れ出る甘いラブソングのビデオクリップに自分を照らし合わせたりして夢見心地だった時。友達曰く、こういうのがレバノン人+私たちの感覚を麻痺させてしまっている。なるほど納得。そういうことか・・・と、えらく痛感。

お友達(こちらは日本人ではありません)が多少「お付き合い」していたレバノン人の彼の話。その日私たちは彼女と共にレバノン料理晩餐のお食事に招待されました。でもここで彼は同席した他の男性と彼女が親しく話をしているのを見て(いや、ほんとに話してただけです)何を思ったかドラマの1シーンを繰り広げ始めました。嫉妬からきているのか、まずはナイフを片手にお皿をガツガツたたく(これ、サスペンス劇場)。

そしてレストランを後にする私たちに、送っていこうと思い自分の車を手配したのかと思いきや(高級そうないい車です)、運転席からまだ外にいる私たちの中の彼女にいきなり怒鳴り散らし始める、そして私たちにも忘れず一声「Sorry guys」、と言い残し、思い切りアクセルを踏み鳴らし消えてった彼(これ、心痛む失恋シーン)。おそらく車には良くないだろうなと思う運転で、そっち行っても何もないでしょって方向に行きました。

そして何時間か後、レストランで同席した人たちと一緒にクラブに行った私たちを追ってか、そこしか行くところがなかったのか、前に述べた彼が同じクラブに登場しました。彼はあの街で多分1位2位を争うshow off(見せびらかし屋)。ベイルートで彼のドラマクイーンさを知っている人も多いのでは?そしてそのクラブでのこと。彼女を見つけた彼は彼女に耳打ちして「I love you 」って言ったらしい(これ、感動の愛の場面)。

申し訳ないがおかしくてしょうがない。だってこれ全部絶対本心ではない。彼は、自分が作り上げるドラマの中で暮らしている・・・。ちなみに彼、クラブに行くと必ずシャンパンを開けてクラブ中に自分の名前が響き渡ることに喜びを感じているよう・・・。

これからもその彼の話は「伝説」として伝え受け継がれる(?)。

この彼は例外的要素を持ち合わせているとは思うけれど、まあこんな国民が勢ぞろいした国での出来事は半端なものではとどまらないのです。場合によっては良くも悪くも取れるでしょうが、私自身、何故か憎めなくて好きかも。

そんな人たちと関わることがないここでの私。心を乱すものがないということは平穏な日々を暮らせているということ。決して悪いことでは・・・ない。

が、ということは私の踊りにも平穏さが反映してくるということ?いやいや。そうではなくあって欲しい。ある生徒さん曰く、私にとっての男性は踊りの肥やしにするべし、だそう。そうか(薄々気付いてはいたんだけど)。単純な私はやけに納得。いちいち気にかけてたら時間がもったいない。とりあえず踊りに集中だ。

ゆっくり海でも眺めてここにいる間は自分を保養させよう。

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