2008年3月3日月曜日

Fairuz / Fairouz

フェイルーズ、(またはファイルーズ)と読みます。

レバノンでの私のトレーナーの名は、イヤッド。
イヤッドも、彼自身プロダンサーである。

そんな彼に会えると楽しみにしていた1月末のベイルートでの滞在、惜しくも会えず終い・・・
なぜかって?彼は彼のダンスグループと共に、Fairuzのツアーでダマスカスに行っていたのです。

レバノン人のFairuz はアラブの歌姫。

Our(ってレバニーズのことね) Ambassador to the Stars とも称される彼女の名、Fairuz とはアラビア語で「トルコ石」の意味。1935年に生まれた彼女はおとなしい幼少期を過ごしたが、10代からその美しい歌声はさることながら、アラビアン音楽も西洋音楽も歌える柔軟性の才能を認められ、1960年代には "First Lady of Lebanese singing" (Halim el Roumi) と呼ばれるようになる。

そんな彼女の音楽は、彼女がアルジェリアから訪れた当時の大統領のプライベートコンサートで歌うことを拒否したため、レバノン政府の要請でラジオでの放送を6ヶ月間にわたり禁止されたそう。彼女がプライベートコンサートで歌わなかった理由は、王様であっても大統領であっても、特定の人一人(One Individual)には歌わない、自分の歌は people (人々)に歌うものである、というスタンスがあったから。

アラブ圏ではもちろん、オリエンタルダンス(ベリーダンス)をしている人なら彼女のことは知っているはず(違う?)。1970年代、彼女は国際的にも有名になるものの、1975年から1990年にかけて起きたレバノンの内戦中、海外に移り住むことはなかったという。けれども、内戦中の不条理な殺し合いをするおろかな行為に対して、一度は美しく繁栄をなしていた自国を破壊する国民や外国人に対したメッセージを込めて、国内でその歌声を披露することもまたなかったという(1978年に東と西に分けられたベイルートの町の双方で"Petra"というオペラだけは公演したそう)。そして、それがフェイルーズ。

今回のシリア公演については、様々な見解があるよう。それはもちろん政治的な意味合いも含まれるであろうし、なぜ今シリア?という考え方も。あれこれ調べだしたらニューストッピックスからどんどん入り込み、誰にも説明しきれないレバノンの複雑な宗教、政治その他もろもろの情勢や話題でどんどん頭が痛くなり・・・結局特にこれといった話も出来ないままこのエントリーは終わりにすることに。インターネットって終わりがない・・・。

写真は、レバノンにて。イヤッドの故郷で撮ったもの。

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