スペシャルイベントとして私が踊ったステージ前方にはなんだか三脚にのせたカメラ。
随分たってから、ホテルの友達の一人が教えてくれました。
マリコ、もしかしたら私あなたを雑誌で見たかもしれない、と。
翌々日、その友達は地元の音楽雑誌を持ってきてくれました。
D-FULLという雑誌。
特に私が取り上げられているわけではありませんが、女性の日の記事の一環としてどうやら写真が載っていたよう。
以下、その雑誌でございます。
っていうかマネージメントの諸君、知ってたんでしょ、誰か教えよ、全く・・・。
日本人ベリーダンサーASYA(あしあ)が初のアジア人ダンサーとしてベリーダンスの本場レバノンを基点にアラブ圏で活躍する日々の出来事や異文化体験をざっくばらんに、そして面白おかしくご紹介。
結局、彼らは自分たちの朝食を済ませ、軽く会釈(というより手を振る)程度の挨拶をしてその場を後に。
さて、本日の問題はここから。20分ぐらい経ってからだったはず。自分の朝食を済ませて部屋に戻る帰り道、私の視野に入ってきたのはさっきのベレー帽をかぶったおじさん(以後ベレーおじさん)。ロビーの端にある電話ブースの一角に、あたかも用があったかのごとくポーズを取って立っている。直感的にまずいと思った私は無意識のうちにおじさんを自分の視界から削除。見なかったことにして自分の進行方向まっしぐらに歩き続ける。するとおじさん、何を思ったのかものすごい勢いで私を追い抜かしていった。
まずいなんて思ってしまって悪かった、ベレーおじさん・・・。とちょっとだけホッとし、罪悪感を感じたその時、また私の目にはベレーおじさんが入ってくる。今度はエレベーターの前で待っている様子。そういうことか。追い越したと見せかけてエレベーターで一緒になろうって・・・やりそうなことだ。と再度警戒心を持ち直し、おじさんの後ろをなるべく気付かれないよう階段口を行く。普段から非常階段を使って上り下りしている私に、エレベーターは不要。上手くまけたかなと思い自分の階のエレベータホールに出て歩き出したその時、捕まった・・・。
なんて呼ばれたかは覚えてないけれど、やっぱりあのベレーおじさんが声を掛ける。彼、ゼーゼー言ってる。って、一階しか上がってないよ。確かに肥満気味のおじさん、私を見失わないように急いで階段を上がったのだろう。
「君のファンなんだ!」
(なるほど、そうきたか。うーん、でも私はしがないベリーダンサー。別にアイドルでも何でもないんです)
「ああ、ありがとう」
(それなら一転、一応ファンありきのベリーダンサー)「だから電話で話そう!」
「はあ?」
訳が分からん。だからってなんだ?
「だから電話番号を!」
だからだからってなんなんだ???「なんか話したいなら今ここで言ってよ」
と私。(こんなに冷たくは言いませんが)「・・・いや、それは」
分からない!いやそれはって何なんだ・・・。
「私はパブリックでは話はしますが個人的にお話はしません」
(くどいようですが直訳したり文章にしたりすると冷たく聞こえますが冷たさはないんです)「そうか・・・」
と、私が妥協しないと悟ったベレーおじさんは肩を落として消えていった。
チップにまつわる話はたくさんあり、ダメだって言ってるのに衣装のあちこちにお札を入れてくれたお姉さん。その時は後でマネージャーが私から全額没収、お姉さんに返してました。だからそれ以来私はお金をごそごそと出そうとする人を見かけると口頭プラスジェスチャーでお金は受け取れないのよ、とお知らせするのです(もちろん踊りながら)。
レバノンで踊っていたときにもチップにまつわる話はいくつもあるし、ダンサー仲間から聞く話もたくさんあるんです。国によってもホテルによってもマネージメントによってもこの辺りは全て違うので一定のルールも何もありませんが、この辺りの話はチップ2とでも題して次回ってことで。
とりあえず踊る!
ケーキとろうそく!これ、やりたかった。
誕生会解散時、とき、すでに翌日。
そんなわけで今年も更なる飛躍を目指して精進してまいります。