デーツとは、棗(ナツメ)。味として表現するなれば、どちらかというともっちりしたこしあんのようなもの。ねっとりして、重みのある、甘い果実。
私が食事をするレストランではアラカルトも頼めるのだけれど、ご飯はもっぱら日替わりビュッフェ。レストラン中央にはメインディッシュが並んだテーブル、デザートやサラダもそれぞれのテーブルを占め、果物も置いてある。先日お昼を食べていると、おなかの出っ張った見知らぬおじさんが1人で座っている私を見かけて声を掛けた。
お昼が終わったら何してるの?
と、言っていると思う。
でもここは分からぬふりをするのが賢明だと直感する私。
ごめんなさい、何を言ってるのか分からないの。
いやいや、だからあなたのお昼後の予定は?
・・・と、言っていると思われる。
どうせ何もないんでしょ。ちょっと付き合ってよ。
・・・失礼な奴だな、と思いつつ、上のようなことを言っているのは確かだな、と思う。
さて、ここで曖昧な返事をすると後で厄介なことになるのは目に見える。この手の人は相手の対応が甘いのを見透かしてどんどんつけこんでくる。
「分からないから」(諦めてくれ。と心の中で続く叫び)、と言っているにも関わらず身を乗り出して座っている私に立っているポジションからテーブルにビュッフェから取ってきた何かを載せたお皿を置き、両手を付き、そして私を見下ろしてずっと誘い続けるおじさん。こういう圧力をかける形で話をする人は大嫌い。
ほんっとうにしつこい。
私だって失礼な対応はしたくないけれど、ここまで威圧的な姿勢の人には大変申し訳ないけれど最終手段を使うしか他ない。
私が分からないのをいいことに、どうにかして私からyesという返答にこじつけようと、どんどん早口で続けるおじさん。
ここまできたらもう「あなたの言ってることは意味不明」態度を押し通すしかないのである。
両手のひらをおじさんの方に向け、しかめっ面で首を振り続けること約10秒。長かった・・・が、やっと分かってくれた。もちろん最後ににっこり笑ってごめんね、と言うことは忘れずに。
そして去っていくおじさんが手にしたそのお皿には、山のようにデーツが乗っていた。後でビュッフェの果物が置いてあるテーブルに行って分かった事。普段大量においてあるデーツ皿が半分空になっていた。
だからおなかがはち切れるほど出ちゃうんだよ。
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