おそらく、彼女、だと思われる。
真っ白の毛に、ところどころあるグレーの模様。
その立ち姿は、清く、そして凛として、見かけるたび、ハッとさせられる。
始めて出会ったのは、2008年2月、ここに来て間もない頃。
海辺を散歩しに行く途中、芝生の敷地内で彼女を見かけた。
「おいで」
と、一声かけ手招きすると、野良猫だとは思えないほど、何の躊躇もなく、嬉しそうに反応して近づいてくる。(あくまで私の解釈ですけれど)
猫好きの私には、ホテルの敷地内で猫に会えるのは朗報。
あるときは、ベンチに座って本を読んでいると、どこからともなくやってきて、気付けば足に擦り寄っている。またあるときは浜辺に下りる階段で、太陽の下、背中を地面に擦り付けては一人でじゃれている。
それまで読んでいた名前はミーちゃん、浜辺で見かけた彼女を撫でている際、ちょうどその場に居合わせたスタッフの話によると、彼女の名前はミッキーらしい。猫なのにミッキー・・・好きでもないのにそう思ってしまうのは、やはりディズニー戦略に惑わされた人の発想であろうか、と一人おかしくて肩を震わせる。少なくともここの人たちにはそんな発想は、ない。そして私はそれが好きである。
ラマダン後、アルジェリアに戻って間もなくしてから、例のごとく浜辺を散歩しようとホテルの広い裏庭を横切り、浜辺に出る一歩手前でどこからともなく現れたミッキー。どうやら「お帰り」、と挨拶をしに来てくれたよう。久しぶりの再会に嬉しくなり、近くの椅子に腰掛けて、ミッキーを膝の上に乗せて可愛がる。
次の4時間、自分の膝を猫に捧げることを予測もせず・・・。
アルジェリアでも、トルコでも、モロッコでも、イスラムの国だからなのか、猫をいたるところで見つける。なぜか彼ら、犬はあまり好かないそうなのだけれど・・・。そう、イスラムの国々は、猫好きにはたまらないデスティネーションなのかもしれない。
万歳、猫。万歳、ミッキー。
あれ以来会ってないけれど、明日は会えるかしら。
ミッキーを膝に乗せた4時間後、もう限界だと思って膝から降ろそうとしたら彼女は抵抗、もしかしたら怒ってて最近姿を見せないのかな、と思ったりもする今日この頃。
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